皆さま、自分の人生の中で「晴れ姿」を経験されたり、聞き覚えはありますか? 「晴れ姿」と聞いてどんな姿、場面が思い浮かびますか?

今回は「晴れ姿」についての意味や使い方、どのような状況でどんな服装など詳しく紹介してい きます。

晴れ姿とは

日本では古くから普通の日常生活を送る日を「ケ」の日、それに対して正月や節句などの年中 行事、お祭りや冠婚葬祭を行う日を「ハレ」の日と言われてました。

「ハレ」の日は、非日常な特別な日を過ごすので、特別な服装に赤飯やお餅などの神聖な食べ 物、お酒を飲んで祝ったりします。それによりこの特別な「ハレ」の日に着る服装も「晴れ 着」というようになりました。

晴れ姿とは 2 つの意味があるのをご存知でしょうか?

1 つ目は「表立った場所で着る美しい晴れ着姿」。 おめでたい場面や記念行事などで着る服装のことです。

例えば、振り袖や紋付の晴れ着、お正月の晴れ着などがあげられます。和装だけでなく洋装・正 装でもお祝いの服装といえば「晴れ着」というようになりました。

2 つ目は「多くの人から注目される、おおやけの場所に出た姿」。 人生の節目ともいえるおめでたい日や人前で披露する場面などを指します。 例えば、成人式や結婚式、入学式や卒業式、七五三など大切な記念日などがあげられます。

自分が主役となる特別な日のことを「晴れ舞台」というようになりました。 おめでたい記念すべき日に着る正装を表している場合と、そのおめでたい記念すべき場面を表 している場合の 2 つの意味があります。

晴れ姿の使い方

「晴れ姿」の言葉の使い方を説明していきます。 例文としては、 「成人式での晴れ姿を写真で思い出に残そう」 「結婚式で娘の晴れ姿を見ると涙が出てくる」 などがあげられます。

どちらも晴れ着を着て晴れやかな舞台に立っている姿がイメージできます。 ただ「晴れ舞台」という言葉を使う場合は自分が主役になる日を意味しますが、他者が当事者に 対して使う表現であり、自分から発信するのはあまり相応しくないので注意が必要です。

結婚式の場合「晴れて夫婦になりました。まだまだ未熟な 2 人ですが、、」など謙虚な言い方が一 般的でしょう。

晴れ姿の類義語

晴れ姿の類義語には「雄姿(ゆうし)」という言葉があります。 「雄姿」には、「雄々しい姿」という意味があり、かっこよく立派な姿の人・物のことをさしま す。

また「勇姿(ゆうし)」だと「勇敢な姿」という意味があり、勝負に関連する表現です。 どちらも「立派な姿」という意味では同じですが、特別な「ハレ」の日とはまた違うので気を付 けましょう。

晴れ着の着こなし

誰もが1度は経験したことあるであろう「晴れ姿」。

ところがどういう服装をしていたのか、また他の方の服装までも覚えていますか? 今や写真に納めて SNS などで共有するのが当たり前の時代。 多種多様な祝い方や服装があるなかで、一般的な「晴れ着」とは思えないような服装でも、日常 的な服装でなくその方の正装である場合は「晴れ着」と表します。

今回は本来の「晴れ着」について、それぞれの状況に応じた服装を紹介していきたいと思います ので、是非参考にしてください。

入学式・卒業式の晴れ姿

人生で一番多いとされる晴れ舞台は入学式。 小学校・中学校の義務教育の中でも 2 回はあり、それ以上の進学をする方は高校・大学と、それ 以下の入園式をいれると多い方で5回は経験している可能性があります。

主役はお子様なので保護者の方は目立ちすぎる服装やアクセサリーはあまり好ましくはありま せん。

ですが地味になりすぎるのもダメなので、上品で清楚な服装が一番ベストでしょう。 スーツやワンピースにジャケットを着用し、インナーのブラウスは明るめのフリルやレースの ついた柔らかい雰囲気がおすすめです。 アクセサリーは光物を避けるのがマナーなので、定番なのは本物の真珠(パール)です。

上品で高 級感が溢れますが目立ちすぎず、卒業式や冠婚葬祭にも着用できるので 1 つもっておくと便利 なアイテムです。 ストッキングはベージュ系を着用し、黒のタイツや素足、柄物のストッキングは NG なので注 意!! 夫婦で出席される場合は、お二人の服装の格を合わせ、小物同士の色を合わせるなど、共通ポイ ントがあればオシャレ度が上がります。

成人式の晴れ姿

成人式の晴れ姿といえば振袖を思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

なぜ、成人式で振袖を着る文化ができたかというと、 振袖は昔男女兼用の子ども用の小袖でした。 振り八ツ口と言い、袖の身頃側の生地を縫わずに開けたままにしたもので、風通しがよく体温 の高い子供達の熱を逃す役割がありました。

しかし江戸時代には袖丈が長いと所作に品が出ることから袖丈がどんどん長くなり、子どもの 小袖だった振袖が未婚の女性が着る礼装に変わりました。 振袖を着るということは、子どもが大人になる通過儀礼のひとつで、目に見える形で成長を祝 福し、同時に大人になる自覚をし新たな一歩を歩むという意味があります。

昔からの風習が残り女性はほとんどが振袖を着ている印象ですが、対照的に男性は一部の方は 袴を着ていますがスーツを着て参加している方が多い印象です。

19 歳は女性の場合厄年なので、19 歳の内に前撮り等で振袖を着ておくことをおすすめします。 自らの新たな門出を祝いつつ、親に感謝の気持ちを伝える素敵な晴れ姿にしましょう!

結婚式の晴れ姿

結婚式の晴れ姿といえば新婦さまだと白を基調としたウェディングドレスや白無垢が印象的で す。 白い衣装を見に纏う理由は「身も心も清い状態で式にのぞみ、嫁ぎ先の色に染まる」といわ れています。

結婚式の輝かしい晴れ姿に相応しい衣装ですね。 新郎さまは和装だと紋付袴、洋装だとタキシードやスーツがスタンダードです。 明治時代に男性の礼装が「黒紋付羽織袴」に定められました。それ以降、結婚式で多く着用 されています。

最近では個性的に紋付袴がたくさんあり素敵ですが、着る機会のない「黒紋付羽織袴」を是 非試してみてください。

注意点は小物は白で統一すること。 新郎さまも主役ですが、格を揃えながらと新婦さまよりも目立たないことが重要です。 今回は「晴れ姿」について紹介しました。 意味や由来など参考になりましたでしょうか。

言葉こそは昔からの由来のままですが、時代は変わり様々な表現の仕方があります。今までの常 識に囚われず、自分らしい思い出に残る素晴らしい「晴れ着」「晴れ舞台」にしてください。

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