やちむん工房巡りを楽しむ「読谷山焼陶器市」
独自の焼き物文化が発展している沖縄。「やちむん」と呼ばれる沖縄陶器の原点は、1600年頃の琉球時代にさかのぼります。その頃の琉球王国は小さな島国でありながら、中国やタイといった外国と交易を行い、優れた貿易国家へと成長していました。海外から陶磁器が豊富に持ち込まれたことで焼き物の技術が発展したのです。
今回は、読谷山焼陶器市について紹介します。
[ad#codo1]読谷山焼陶器市の詳細
1682年、琉球王朝の尚貞王は、各地にあった窯場を首里城下の壺屋地区に集積し、陶業の発展を図りました。これまでの技術と中国からの技術を吸収し、壺屋のやちむんは発展していきます。
1970年代になると、戦後復興と共に手狭になった壺屋から様々な陶芸家たちが読谷へと移転しました。作家たちが共同で登り窯を作り、「読谷山焼(ゆんたんざやき)」作りを始めたのです。その昔、読谷村が「読谷山(ゆんたんざ)」と呼ばれていたことから、その名が付けられました。
登り窯が作られた地は、現在では15もの陶芸工房が集まる「やちむんの里」として、観光客にも人気のスポットとなっています。
「読谷山焼陶器市」は、「やちむんの里」にある読谷山窯と読谷山北窯が共同開催しているイベント。戦後衰退してしまった「やちむん」文化を取り戻すことや、地元の土でつくられた器で地元の食事を味わってもらうことを目的として始められました。
通常の2割から3割引きの価格でやちむんが購入できることもあり、県内外を問わず毎年多くの焼き物好きが集まってきます。
「読谷山焼陶器市」の魅力のひとつは、会場にブースを作って販売するスタイルではなく、各工房で作品が展示販売されている点。広大な土地に点在する工房一つ一つを巡り、作品が生まれるその場で、お気に入りのやちむんを見つけることができるのです。
また、作家と直接会話を楽しめることも魅力のひとつ。作品を作った時のエピソードや想いを聞けば、やちむんの奥深さを知ることができるでしょう。
「読谷山焼陶器市」は、やちむんの里の雰囲気を味わいながら、ベテランから若手まで多彩な陶芸家の作品を愛でることができる貴重なイベントなのです。
会場内にあるカフェでは、ほとんどのメニューがやちむんで提供されています。工房によっては作品を使ってコーヒーやお菓子を出してくれるところも。実際に使ってみて、やちむんの器の良さを感じてから購入するのもオススメです。
[ad#codo1]読谷山焼陶器市の日程とアクセス方法
【日程】
2017年の日程は未定(例年12月第3金曜日から3日間)
【会場】
読谷やちむんの里・読谷山窯広場(沖縄県読谷村座喜味2653-1)
入場無料
【アクセス方法】
(車利用の場合)
*那覇空港→会場〈車〉約60分
(路線バス利用の場合)
*那覇空港→親志入口 下車〈路線バス120番〉約90分 1070円
*親志入口→会場〈徒歩〉約15分
【駐車場】
無料駐車場あり(50台程度)
読谷山焼陶器市のポイント
ひと口に「やちむん」と言っても作家によって色使いや柄が全く違います。ひとつの造形にとらわれない力強い焼き物が多く、同じ物は探せないほどオリジナリティに溢れているところが魅力。近年は普段使用しやすいマグカップやティーポット、茶碗、サラダボウルなどを生み出す若手作家も増えています。沖縄の土を活かしたやちむんには、どこか暖かみも感じられ、やちむんの虜になる焼き物好きも増加しているほどです。
やちむんが定価以外で販売されることは、なかなかありません。「読谷山焼陶器市」などのやちむん市はお得に手に入れるチャンス。蓋物や花器、茶碗やシーサー、マグカップ等々、生活を彩る様々なやちむんを購入してみましょう。
「読谷山焼陶器市」では、普段売られていない老人会の作品なども出品されます。プロの作家さんというわけではありませんが、立派な陶器が豊富。手頃な価格なので、気楽に購入できオススメです。
陶芸家の熱意を感じながら、お気に入りの一点を探す。「読谷山焼陶器市」は他のやちむん市とは違った魅力がたくさん詰まったイベントなのです。
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