多くの鉄道路線には、ラッシュ時と呼ばれる電車が混む時間帯が存在しています。
会社への通勤や学校への通学に電車を利用している人が、一定の時間帯に集中するというのがその理由です。

大都市には数多くの企業が進出し、オフィスや事務所を構えています。そこに多くの人が就業時間に合わせて移動しています。朝起きて会社に行き、仕事を終えて帰ってくるのは夕方というのが、一般的な生活サイクルになっています。ですから企業の就業時間の前後が、電車が混む時間帯です。

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電車が混む時間帯

就業の始まりが9時前後に設定されている企業が多いので、平日の朝に大都市方面へ向かう上り路線は、7時頃から10時頃までが電車が混む時間帯になります。

混雑のピークは9時前後とされており、路線によっては乗車率が200%を超えるところもあります。
一方、郊外へ向かう下り路線は同じ時間帯であっても空いていますが、大規模な工場や施設などがあるところでは上り路線と同様の現象が起こっています。例えば、京浜急行電鉄の空港線は下り方面が羽田空港に向かう路線なので、朝の時間帯には空港に関連する施設に向かう人々で混雑します。

それから夕方になると、今度は自宅がある郊外へ向かう下り路線が電車が混みます。就業終わりは17時から18時に設定されていることが多いので、電車が混む時間帯は18時頃から20時頃となっています。ただし、残業をして帰宅が遅くなる人もいますし、会社帰りに食事をしたり、買い物など商業施設に立ち寄るといった人もいるので帰宅時間は分散する傾向にあります。そのため朝のラッシュ時に比べると、夕方のラッシュ時は電車の混雑率はやや低下するようです。

また、複数の路線が乗り入れているビッグターミナル駅では通勤の際に路線を乗り換える人も多いので、上り路線や下り路線に関係なくラッシュ時の電車は混んでいます。

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土日は電車は混む?

それから多くの企業が休みになる土曜日や日曜日には、通勤に利用する人が平日に比べると大幅に減るので、電車の混雑率も大きく低下します。平日であればぎゅうぎゅうに混み合うラッシュの時間帯でも、土曜日や日曜日には簡単に座席に座れるといった路線も少なくありません。企業が休みになる祝日やお盆休み、年末年始なども同様のことがいえます。ただ、大型のイベントがある場合などには、そのイベントの前後に開催地周辺の電車が混雑することがあります。

大型のコンサートや野球、サッカーといったスポーツの試合、夏に行われる花火大会、お正月に多くの人が訪れる初詣、地域主催のフェスティバルなどです。多くの人出が予想される時には、電車やバスといった交通機関の臨時便が運行することもあります。

夏休みや冬休み、春休みといった大型連休は学校が休みになるので、通学に電車を利用する人は少なくなります。しかし、通勤に電車を利用している人の割合に比べると大分少ないので、ラッシュの時間帯に与える影響は少ないと言われています。

最近、都心では満員電車をなくすことを目的とした「時差BiZ」といった取り組みも行われるようになりました。「時差BiZ」はその名の通り、通勤の時間帯をずらして出勤するというもので、通勤時間を分散することによって電車の混雑率を緩和しようという取り組みです。「時差BiZ」は、小池百合子東京都知事がアピールしたことがニュースなどで取り上げられ、話題になりました。時差BiZが定着するかどうかは、今後の取り組みにかかっています。

その他にも電車の混雑率を緩和するために、二階建ての電車を導入するといった案も検討されました。二階建ての電車は技術面や資金面に色々な問題があることから、今のところ実現には至っていません。

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