ベロア素材とは?

ベロア素材というのは、毛羽(けば)加工をほどこした光沢感のあるなめらかな生地のことをさします。
別珍、ベルベットなどと並んで「起毛品」あるいは「立毛品」と呼ばれています。語源は「毛むくじゃら」を意味するラテン語だそうです。原料は毛、絹、レーヨン、コットンなどさまざまで、一般的には下記の3種類が「ベロア」という総称で呼ばれています。
①ブラッシュ
織物のパイル(輪状になった経糸)をカットして長い毛羽を出したもの
②ニットベロア
編物(ニット)生地のパイルをカットして短い毛羽を出したもの
③ベロア仕上げ
生地を水などに浸して縮ませ、さらに起毛して毛羽を刈りそろえることでベロアっぽい風合いに仕上げたもの

ベロア素材の特徴

ベロアの最大の特徴はあの暖かそうな起毛感と上品な光沢でしょう。毛羽加工された生地表面は、1枚の生地でも光の加減でさまざまに美しく表情を変えます。見た目はふっくらと柔らかな印象で、手触りもよく、総じて高級感があるので、衣類以外にも寝具や敷物、カーテンなどに使用されています。
よく似た生地にベルベット(ビロード)がありますが、ベルベットは高級素材。ベロアの方が断然リーズナブルです。
すべての魅力はこの毛羽から生まれていますが、この毛羽ゆえに、お手入れには少々気を使います。まずほこりが付くと目立ちます。雨染みもつきやすく、いったんシワになれば目立つ上に取りにくいので座りジワなどにも注意がいります。洗濯にも細心の注意を払わなければなりません。

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ベロア素材の洋服のおすすめの季節は?

とにかく見た目が暖かそうな素材ですから、やはり主流は秋冬です。

ジャブジャブ洗える素材でもなく、水に弱いので夏向きとは言えません。どうしても夏に着るなら、露出度高めで明るい色合いのものを選びましょう。

ベロア素材の洋服の洗濯方法は?

ドライクリーニングが基本です。特に洗濯表示にドライマークのあるものは必ずクリーニングに出してください。襟や袖口の汚れが激しいとき、あるいはシミができているような場合にも、無理にこすると毛がぬけたり色が落ちたりしますのでプロにおまかせした方が無難です。この際、仕上げに撥水加工をしてもらうと、次回からの着用時に汚れや雨染みをある程度防ぐことができます。
洗濯表示に洗濯機マークや手洗いマークがあるようなら、手洗いに挑戦してみてもいいでしょう。

色落ちしやすいものが多いので、他の衣類とは別に洗います。洗剤もおしゃれ着用の専用洗剤を使いましょう。たとえ洗濯機マークがあっても、手洗いすることをおすすめします。
裏地があれば裏返し、裏地がなければ表地のまま、目の細かい洗濯ネットに入れてたっぷりの水の中でやさしく押し洗い。あまり時間をかけずに手早く洗います。
洗い終わったら柔軟剤で仕上げましょう。毛羽をきれいに整えるためと、乾いたときにシワになりにくくする効果が期待できるからです。洗濯機で軽く脱水をして、すぐに干します。ハンガーなどにかけて着用時と同じ形に整え、できるだけシワを伸ばします。濡れたままブラシをかけておくと仕上がりがきれいです。

手でなでつけるだけでも乾いたときに差が出ます。乾燥機はNGです。
乾いたら再度ブラシで毛流れを整え、たたみじわができないようハンガーなどに吊るした状態で保管します。完全に乾いたら衣装カバーをかけておくと長持ちします。
アイロンは避けた方がいいでしょう。ベロアはだいたいにおいて熱に弱く、テカリなどの原因になります。どうしてもシワなどが気になる場合は、生地に直接アイロンを当てるのではなく、スチームアイロンのスチームを当てるとか、お風呂場に干しておいて湯気に当てるなどしたあとでていねいにブラシをかけましょう。




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