近年話題になっている強歩大会とは,どのようなものかご存じだろうか。

ここでは基本的なことから解説したいと思います。

強歩大会とは?

強歩大会とは、一部の地方では強行遠足ともいわれ、主に学校組織で実施される長距離歩行のことです。

実施している学校とは一部の中学校から高校の範囲で行われているが正式な陸上競技として認められていないことや、ただ歩き続けるということから「強歩」という言葉がつけられています。

したがって強歩大会の目的は歩き続けることであり、順位を競うものではないということです。

そうした性格もあることから大会では、コース上に等距離でチェックポイントを設け、そこを決められた時間に通過しなければ棄権扱いになるということもあり大会運営上の性格ともなっています。

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「強歩大会」の特徴

第一に、順位を競うものではなく体力をいかに温存しながら長距離を歩くことができるかが主題ということです。

距離的にもマラソンや後述する競歩協議のように厳格に決められておらず、その大会固有の距離を有している。これは参加する学生の体力を考慮して、中学生の参加強歩大会では十数キロメートルのものから、マラソンの距離を上回る距離を歩く大会まである。ここで重要なのは「歩く」ということで、走らなければならないというものではないのも特徴です。

第二に精神性を重んじられるということです。陸上競技では、「より早く、より高く、より遠くへ」が基本スタンスではありますが、この強歩は長い道のりを決められた時間内に無理なく歩くという精神性を錬磨することに主眼が置かれていることです。

このことで、特殊な練習やスキルが無くても誰でも参加で見るものでありながら、歩くという単純活動を行い続ける精神性を求めています。その関係で中学校、高校などで全生徒が特別な理由が無い限り参加し、体育事業の一環としているわけです。実施都道府県で見るとほぼ日本全土に広がっており寝強い人気があると言えます。

また、昨今、この強歩大会にて不慮の事故によりゴール直前に心肺停止した女子高生の事件が世間を騒がせたことがありますが、こうした不慮の事故を避けるために強歩大会に参加の上でのコツを示したいと思います。

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強歩大会のコツ

まず、急がず遅れずの基本で自分のペースで歩くことが最も大切です。

速さを競うものではないので急ぐ必要は無いことを十分理解しておかなければならないということです。どうしても学生同士がともに歩き始めると速さを競いたくなる心理が働き、自分のペース以上で歩いてしまい、心臓に余分な負荷が長時間かかってしまうことケースとしては多く、またゴール間際にダッシュしてしまい、いきなり高負荷がかかってしまうこともあります。

従いまして、最初から最後まで自分の歩くペースより僅かながら遅めに歩き続けることが重要です。また、コツの第二点目としては、日頃から歩くことを厭わずちょっとした距離でも歩く習慣をつけておくことです。これは自転車でも大丈夫です。

決してジョギングやランニングではないので楽に挑戦できることではないかと思います。

最後に長距離を歩くのですから黙々と歩き続けることは苦行になります。

そこで、友人や仲間とグループを組んで話しながら歩くことで距離感がなくなるという精神的対策もコツの一つです。誰でも語れるテーマをいくつか用意しておきその話題を中心に話しながら歩くことが良い方法と言えます。

ランニング、ジョギングであれば会話する暇がありませんが、歩きながらならそんなことも可能です。こうすることで、自身が歩いている距離感を忘れ、もうこんなに歩いたのかという具合になるようにすれば疲労も思ったほどかからないと考えられます。では、強歩と競歩との違いの具体的な内容を最後に示したいと思います。

そのためには競歩競技について知らなければなりません。陸上競技種目の中でも、競歩競技は近年東京オリンピックの影響や有力選手が出てきたこともありマスコミを注目する競技になってきましたが、それまではそのスタイルや不自由性から一般的に人気の無い競技でした。

では競歩競技とはどのような競技かというと、陸上競技種目で唯一の判定種目なのです。

一定のルールに従ったフォームを維持しながら歩かなければならずこのフォームのことを「歩形」とも言います。競歩競技では順位やタイムだけでなくルールを順守しながら競技するという特徴があります。このルールが厳しくルール違反の場合は失格になります。競歩は現在、男子20km・男子50km・女子20kmがオリンピックの競技種目で実施されています。以上の競歩競技の説明で、競歩とここで解説している強歩とはまるで異なることがご理解いただけたでしょうか。

あくまでも競歩は競技であり競い合うものですが、強歩は自分との戦いであり他社との競い合いではないということです。いかに自分のペースを自分なりに守って長時間維持できるかを若いうちから学ばせるものだということができます。不慮の事故で強歩というイベントが注目を浴びましたが残念なことだと言わざるを得ません。




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