ワードロープとは?

ワードロープとは、耳なじみのある言葉に置き換えれば「洋服タンス」のことであり、衣類をしまっておくところ、または衣類を吊って収納する家具のことを指します。

クローゼットとの違いが気になるところですが、クローゼットの典型的な日本語訳は「物置」であり、衣類以外の所持品も収納する空間を指しています。ワードロープは収納対象が衣装のみに限られる点がクローゼットとの違いです。
中世イングランドにおいてワードロープは、家具ではなく空間または部屋を意味する言葉であり、衣類を収納する家具自体はプレスと呼ばれていました。その後17世紀までには、ワードロープという言葉が現在のように家具自体を意味する単語として用いられていたようです。現代の日本では、家具洋品店でワードロープを探すと、ハンガーポール付きの収納スペースと洋服を畳んで収納できる引き出しがセットになっている家具が見つかるでしょう。

収納スペースを重視する人が増加しているからか、最近の住居ではクローゼットが備え付けられていることも多く、自分でワードロープを購入する機会が減ってきているかもしれません。

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ファッション業界でのワードロープの意味

実は、ワードロープには前述した一般的な意味の他、「衣服計画」「衣服の着用計画」という意味もあります。こちらは主に服飾業界において使用される意味であり、その業界に身を置いていないと中々知る機会は無いのではないでしょうか。
もう少し詳しく解説すると、「衣服計画」「衣服の着用計画」とは以下に挙げるプロセスを総括したものです。まず衣服を購入し所有する際には、「このジャケットは自分が既に持っている黒いスカートに合うな」等と考えますよね。購入する衣服が自分に合うか、そして自分の持っている衣服と組み合わせた何パターンかの組み合わせを想像するはずです。

すなわち、衣服を着用する上での具体的なコーディネートパターンを考えるということです。次に被覆費に予算をいくら振り分けるかも重要なポイントです。収入の多さにも左右されますが、収入のうちの何パーセントを被服費に振り分けて、どのような金額の衣服を購入するかは生活に直接影響を与える決定事項なので気を抜けません。そして、衣装総量の管理も上手く行う必要があります。少し前から「ミニマリスト」や「シンプルライフ」といった特集が頻繁にされるようになり、衣装の総量を制限することに焦点が当たっています。

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必要な衣装の数は人それぞれですが、部屋に収納できない程大量の衣服のせいで日常生活に支障をきたすことは避けたいものです。適切な量を見極めて、管理していく必要があります。また、衣服は着れば汚れていくものなので、日々の洗濯やクリーニング等の手入れにも気をつかうことが大切です。特に日本のように四季が移り変わる国では衣替えも重要です。気温や湿度が1年を通じて大幅に変化するため、湿気の多い時期は乾燥剤を利用する等、適切な保存状態を保つことが衣服を長く大切に利用するコツと言えます。

購入・利用・管理・保存を適切に実施して初めてファッションを本当の意味で楽しめ、衣服に関する生活が充実していくのです。以上をまとめて、ワードロープと呼ぶのが服飾業界における言葉の使い方です。
近頃は「白Tシャツで完成する夏のワードロープ」のようにファッション雑誌の見出しにワードロープという言葉が登場することがありますが、これは白Tシャツを買えば洋服タンスが完成するわけではなく、白Tシャツをコーディネートに取り入れると衣服に関する夏の生活が充実するといった解釈が正しいのです。

以上のとおり、ワードロープという言葉の意味には2通りあり、一般的な用いられ方は洋服タンスですが、服飾業界においては私たちの衣服に関する生活を広くカバーする意味があります。




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