「牛耳る」という言葉の意味とは?

『会社を牛耳るぞ!』
『裏社会を牛耳るのだ!』
等といったように、「牛耳る」という言葉を聞いた事はありませんか?

普通に読んで考えると、
『牛の耳!?食べるの!?』
といった事を思い浮かべてしまいますね。

沖縄の人が豚の耳をよく食べていますが、
牛の耳は食べる地方があるのでしょうか?
もしかしたら、中国ではよく食べられているのかもしれませんね。

「牛耳る」という言葉の意味を知らなければ、
牛の体の部分や食べ物の事だと思ってしまいがちなのですが、
答えは違います。

「牛耳る」とは、会社などの組織を自分が思う通りに掌握して動かす、事を言います。

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「牛耳る」の語源って何なの?

『そもそも何で組織を自分勝手に支配する事を、
「牛耳る」なんていう関係のなさそうな牛の体の部分を使った言葉になったの?』
と誰もが疑問に思っても不思議ではないですね。

その答えを今から記しましょう。
「牛耳る」という言葉が出来たのは、もう遥か昔であり、
しかも日本ではないです。
なんと!紀元前の中国が語源なんです。

古代の四大文明の一つに、中国の「黄河文明」があるように、
遥か昔では中国の文化は、日本と比べてビックリするほど進んでいたのです。
そんなわけで日本の文化の始まりは、先に進化していた中国からの影響が大きいのです。
「牛耳る」という言葉も中国から輸入されました。
皆さん、ビックリすると思いますが、日本で昔から使われている言葉や、
道具に食べ物等の多くは、中国から来たものがほとんどなんです。

それでは、当時の中国はどのくらい日本より進化していたか、と言えば、
中国は三国志時代にはすでに、
馬を効果的に使用した馬車や騎兵、
城を攻める時に使う投石機などの攻城兵器、
弓矢だけでなくボウガンと似た性能を持つ「弩」、
医療分野では、すでに手術や漢方薬まで開発されていました。

その当時の日本はまだ「邪馬台国」の時代ですので、
武器は質の悪い青銅や石器でしたし、
攻城兵器どころか、まともな城もまだ存在しません。
医療分野では、薬や手術どころか「おまじない」で治療する場合が多かったです。
簡単なケガや病気で亡くなってしまう人も、本当に多かったはずです。

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当時は中国と比べて、それほどまでに差がついていました。
中国贔屓に書いているように思えますが、ほとんど事実だから仕方ありません。
個人的に言えば、別に中国が好きではないですよ。
昔の中国の文明に関しては、ヨーロッパに引けを取らないぐらい進化していた、という事です。

さて、そんな昔の中国の話ですが、「牛耳る」という言葉が出来たのは、
三国志時代よりも遥か昔、いわゆる伝説の時代と呼ばれるほどの昔です。
古代中国で存在がほぼハッキリしている最初の王朝といわれる「殷」という国があった時代です。
遥か昔なので、どこまで信憑性があるのかわかりませんが、
その「殷」という国の王様が傍若無人な政治を行い、
多くの民衆を苦しめたせいで各地で反乱が起きて、
『「殷」の王様を倒そう!』という戦争が起きた時に「牛耳る」という言葉が発生しました。
各地の土地の長、つまり領主みたいなものですね。
その領主たちが「殷」という国を倒す為に集まって会議を開いた場所にて、
強大な敵を前にして一致団結する為に、
荷物運びにも食糧にも役立つ大切な家畜である「牛」の、
大きくて目立つ体の部分である「耳」を切って、
その血を器に入れ、各地の長たちがその血を飲みあった儀式が起源と伝えられています。
その中で一番権力のあった人が、のちの「周」という国の「武王」であり、
「武王」が牛の耳を切って、その血を領主たちに振舞った為、
よくある事なのですが、本来の意味とは若干異なっていき、
「一番の権力者が組織を完全に支配する」という意味に変わっていきました。
これが「牛耳る」の語源です。

どういう時に「牛耳る」を使うのか

「牛耳る」の意味や語源がわかりましたね。
それでは、どういう時に「牛耳る」を使うのが効果的かを考えていきましょう。
現代で使う場合だと、やっぱり会社に関する場合が多いですかね。

小さなグループの例で言えば、あるプロジェクトを達成する為にチームを組むのですが、
リーダーとなった人が他のメンバーの意見も取り入れず、
自分が思うままにプロジェクトを遂行していき、独りよがりの為に失敗してしまった、
という事があった場合に、
『彼がチームを牛耳っていたせいで、プロジェクトが失敗に終わってしまいました』
という報告をする時に使いますね。

大きな場合で言えば、社長が完全に会社を牛耳っており、
マーケティング結果や部下の意見も考慮せず、
自分の考えのみで経営した結果、意見の通らない会社に嫌気がさして、
優秀な社員が転職してしまい、運営状況が悪化して会社が倒産してしまった、
という事があったら、
『あの会社は、社長がすべての経営を牛耳っていたせいで、上手くいかずに倒産してしまったので、うちは幹部や株主が定期的に会議を開いて運営方針を決めるようにしましょう』
というように反面教師的な言葉として使う事もできますね。

皆さんも、組織を「牛耳る」ような行動をしてしまい、
部下たちに反乱を起こされないよう、
周りと協力して頑張っていきましょうね。




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